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内面磨き
お宿吉水 代表取締役 中川誼美さんから学ぶ
暮らしとは?仕事とは??
「ちょっと前の日本の暮らし」をコンセプトに口コミや取材記事だけで海外の東京ホテルランキングに紹介され続けているお宿吉水。
銀座に在りながら、テレビも電話も冷蔵庫も無いお宿では、大切にしたい昔ながらの日本の文化が現代の「便利さ」に疲れた体を癒してくれます。そんなお宿「吉水」を経営し、鋭い視点で本質を捉える代表取締役の中川誼美さんにお話をお伺いしました。
にこやかな表情とは裏腹に若者の暮らしに苦言を呈するのは、銀座吉水の女将、中川誼美さん。
――学生に伝えたいことはなんですか?
「自分の暮らしは、できていますか?」
中川さんの仰る暮らしとは昔ながらの日本の暮らし。朝起きて、ご飯を食べ、洗濯をして、お弁当を持って会社や学校に行き、夜帰ってきたらしっかりとご飯を食べて、後片付けをして寝る。もちろん部屋は散らからない。そんな当たり前の暮らしが出来ない学生の多さに落胆する中川さん。
「昔は、生活に暮らしが密着していました。学校に行く前に、お掃除担当があったり、帰ってきてお家の人がいなければご飯の準備をしていた。」ほとんどの若者は、それができていない。
――今の学生をどう捉えていますか?
「今の多くの学生たちは、暮らしよりも優先することが多すぎるのよね。」
「食べることが一番大事なのに、髪を染めることが先。化粧をすることや居酒屋に行くことが先。自分の部屋を片付ける前に、NPO法人に所属して街を片付けるのが先。」いろんな学生とお話する機会を持つ中川さんは、今の学生の傾向をこう語る。「そんなことをする前に、しっかりと自分の暮らしを見直して欲しい。この状況でお金が無いとか時間が無いとか言っていることが本当に残念です。お金が無いと言う前に、自分たちの暮らしの中でちゃんとアカウンティング(会計・経理)ができていれば問題ないはずです。お昼にコンビニでおにぎりを買ったら300円。でも、おにぎりを自分で作れば手間はかかるが、一個当たり20円程度でできるのよ。自分の暮らしの中での原価計算は大切です。稼ぐ前に、就職する前に、自分の暮らしをちゃんとしてほしい。自分の命を維持していくことがまず大事。健康な体が無ければ良いお仕事はできませんよ。」と語る中川さん。厳しい言葉の中にもやさしさを感じずにはいられません。
――仕事を選ぶときに何を大切にしたら良いと思いますか?
お仕事を選ぶときは、どんな会社なのかよく調べて欲しいですね。自分が調べられる以上に会社をよく調べるべきじゃないかと思います。どんな人がトップにいて、次にどんな人がいて、自分がそこに入ったときに、悪に染まらないような選び方をして欲しいですね。
聞いた話ですが、就職活動をして初めて大人としゃべるという学生がいることに驚きました。今の学生さんに一番欠けているのは、大人との付き合いです。自分達の年代だけで集まって「大変だよな?」「大変だよね!」と自己満足をしているだけなの。実際、私達大人の目で見たら、「大変なのはこっちであんた達は何もできてないじゃない」と思うわけです。大人との付き合いをしてこないままで社会に出ても社会人として通用しないと思います。だから私はよく、学生さんたちを集めていろんな企業の方を交えた朝食会もしていました。早い時期からそういった大人、銀行の人や証券会社の人など企業の人は普段どんな人だろうと、目を肥やしてもらって就職活
動に望んでもらいたかったから。いきなり知らない人に会ってわかろうなんて無理だと思います。
それから、学生達が仕事を選ぶときに自分のコンセプトと会社のコンセプトが合わないところにいって自分を無理やりはめ込むのは絶対に間違いだと思います。しかし、今の学生達は職業を選ぶ基準として企業の名前だったり、お給料の額だったり、知名度だったり、資本金の大きさや福利厚生がしっかりしているなどを挙げる人が多いと聞きます。そういった選択肢も大事だと思いますが、何を目的に選ぶのかの原点に立って考えて欲しいです。
――早い時期に転職する若者をどう思いますか?
職業は、変わってもいい。むしろ変わった方がいいと思います。自分は、これじゃないと思ったら次にいく。そしてまた、違うと思ったら次にいく。嫌な事を1年以上続けるのは無能だと考えています。長くいないと本質が見えないという意見もあるそうですが、仕事の本質なんて1ヶ月もいればわかると思います。もし、本質を見せない企業があるなら、そちらに責任があるのではないでしょうか?
本質がわからない会社に何年もいるなんて空しくないですか?何年もわからない会社ならいない方がいいと思いますし、本質がわかってコンセプトと違うと思っているなら続ける必要は無いと思います。学生さんに言いたいことは、生きていくということの本質です。
お金を得たいってことや大きな企業の中に入って偉くなったような気分になることも大切なのかもしれませんが、もっともっと本質を見極めて職業選びをしていけば良いと思います。
――今の世の中が続いたら、どのような世界になると思いますか?
「人間不在になるのかな・・・。」
電車に乗っていて、みんな不愉快でつまんなそうな顔をしている。特に若い女の子などは、清潔感を感じられない。心身ともに汚れているように感じます。人間には、清潔感が一番大事なのよ。こういった人に親にはなってもらいたくないですね。
企業は、言っていることとやっていることが違う所が多く、そこに夢を持って入っていったらみんな潰されると思う。矛盾を学生さんたちが企業に対してちゃんと提言していけないと今後の日本は良くならないと思います。
家族団欒の中でちゃんと食事をしている人は、少なくなりました。みんなテレビを見たり、携帯しながら食事をしているんじゃないかと思いますけど、食べ物にきちっと向き合って「いただきます」って命を頂くようなお家であって欲しいです。私の家では、昔から「テレビを見ない。ご飯は、ちゃんと食べる。」そういった育て方をしました。考えを徹底させて、思ったこと、考えたことを素直に言葉に出せる場のはじまりは食卓からだと思います。あまりにも人間不在な世の中になっていることは非常に残念です。
――最後にひとこと。
「遠回りが近道」そして、「大志を抱くな、日々の暮らしを大切に」
みんな近道ばかりしたがりますが、意外に気がついてみたら、遠回りが近道だったってことあると思います。日々の暮らしがちゃんとできてからしっかりと仕事や勉強をして下さい。そして、大志を抱くなとは夢を持つなということではなくて、大志の為に日々の暮らしを疎かにするなということです。
暮らしの中身をよくチェックして就職よりも学生であるよりも人として自分に愛を持って、どう生きるかを大切にして下さい。
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中川 誼美
慶應義塾大学商学部卒。
1970年夫と共にニューヨーク州ウッドストックで暮らす。
ヒッピーのメッカの街でのナチュラルライフスタイルを身に付け、帰国後も衣食住においてこれを生活の基礎とする。
1998年、京都円山公園内に自然観をとり入れたウッドストック流宿吉水を開業。
2003年、銀座、2008年京都府綾部に宿と食事処開業。
「ちょっと前の日本の暮らし」をテーマとし、自分自身の暮らしと事業上のコンセプトが矛盾しないことを理念とした業務を行う。






























